「ベーシック圏論」に関するメモ
概要
最近ベーシック圏論の勉強会をやっています。
勉強会の中で学んだことをそのままにしておくのはもったいないなと思い、メモとして残しておくことにします。
- 作者:Tom Leinster
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2017/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
勉強会の方針が「集合の圏と線形空間の圏を例として用いることで圏論の理解を深める」なので、このメモもその2つの圏に関することが多いです。
以下では集合の圏を、体上の線形空間の圏をと表します
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集合の圏が圏であることの証明
以上をの圏の定義としたとき、これが結合法則と単位法則を満たすか確かめる。
集合に対して、射をとする
任意の元について
となるので結合法則を満たす
単位法則
写像を、の恒等射を、の恒等射をと表す
このとき、
となるので、が成り立つ
よって単位法則も成り立つ
線形空間の圏が圏であることの証明
以上を圏の定義としたとき、これが結合法則と単位法則を満たすか確かめる
まずは合成が線形写像になっていることを確かめる
は線形写像なので以下の線形性を持つ(も同様)
(ただし、)
この性質を用いると任意のに対して以下のことが示せる
以上よりの線形性が示せた
結合法則と単位法則についての証明は集合の圏の場合と同様なので省略する